海外レースで苦戦する日本馬に光明はあるのか

日本馬に光明

日本馬が海外レースで勝利することも珍しくなくなってきています。しかしそれは、日本と芝の質が似た傾向にある国に限られた話です。
一般的に日本で行われる芝のレースは高速決着になりやすく、ヨーロッパ各国で行われる芝のレースは時計が掛かりやすくなっています。そのため、時計勝負になりやすい香港やシンガポールなどでは勝ち負けに持ち込むことができても、ヨーロッパ各国で行われる芝のレースで、日本馬が活躍するシーンは滅多にない、というのが実情です。

コースが芝からダートになると、日本馬の苦戦度合はますます顕著になります。日本とダートの本場アメリカでは、ダートの質が大きく違うことが影響していると考えられています。大雑把に表現すると、日本のダートが砂であるのに対し、アメリカのダートは土なので、この違いが結果に大きく影響している可能性が高いのです。
砂と土では後者の方が時計勝負になりやすいため、時計勝負に慣れていない日本馬は見せ場もなく敗れてしまうケースがほとんどです。

とは言え、日本馬がヨーロッパやアメリカで勝利する可能性もゼロではありません。ヨーロッパ最高峰のレース、凱旋門賞においてオルフェーヴルが二年連続二着に好走したことは記憶に新しいですし、アメリカに次ぐダート王国、ドバイではヴィクトワールピサが見事に勝利しています。ここで挙げた二頭は日本国内でも素晴らしい成績を挙げていました。しかし興味深いのは、ナカヤマフェスタやトランセンドといった超一流からは一枚落ちる馬が、凱旋門賞やドバイで好勝負に持ち込んでいる事実です。
日本とはコースの性質が違うため、走ってみるまで結果はわからない、ということです。

挑戦を続けていれば、いつの日か歴史の扉を開くことも可能でしょう。

海外レースで苦戦