毎年競馬界には、数多くのニューフェイスが誕生し、デビューします。
そして与えられた舞台であるレースに出走し戦績を重ねていくわけですが、歴史に名を残すというほどまでの活躍を果たせる馬はそう多くはいません。
それが証拠に、伝説ともいえるドラマを生み出し、人々に語り継がれる名馬は、全体の割合からみれば数えるほどではないでしょうか。
特に競馬は、従来のイメージは専門新聞を片手に赤ペンを耳にさした男たちが博打をするものというイメージで見られることも多々あり、業界団体はそのイメージを払しょくするため、女性たちの取り込みに力を入れてきました。
そんな様々な取り組みが功を奏し、毎週のように競馬場へ足を運ぶ若者たちが急増しました。いわゆる競馬バブルの時代です。その頃を知るファンにとって、オグリキャップはあまりにもなつかしい名前で、当時の記憶が鮮明に蘇る人も多いのではないでしょうか。
ほかの馬と明らかに違ったのは、オグリキャップが地方出身であり、しかも高い血統を持たない「雑草魂」を持った馬だということでした。これが日本全国で反響と感動を呼び、走るたびにファンが増え続けるという大変な人気になったのです。
もちろん、人気を裏切らない強さがあったことも確かですが、大きな資金力のある厩舎で資金的にも恵まれた馬が多いなか、あの独特の存在感と葦毛はたくさんの人の心に刻まれたといえます。